エネルギー・環境
平田 陽一教授の紹介
研究テーマ
- ・I-Vカーブ簡易取得システムによる太陽電池の故障診断機能
- ・波長変換素子を適用した太陽電池の変換効率の向上評価
- ・輻射シートによる太陽電池裏面からの放熱効果
研究キーワード
・太陽光発電システム ・エネルギー変換 ・太陽光エネルギー
研究概略
石油はエネルギーとして使えるだけでなく、さまざまな製品にもなる人類の貴重な資源です。
これに代わる太陽、風力、バイオマスなど新エネルギーの普及にスピードが求められています。
太陽光発電は、場所に殆ど縛られない地球にやさしい電気エネルギーで、その普及スピードからより信頼性の向上が求められるようになりました。
詳細内容

I-Vカーブ簡易取得システムによる太陽電池モジュールストリングの故障診断
太陽電池モジュールが寿命20年と言われている。本研究では、太陽電池アレイが発電に使用されていない発電開始・停止時などを利用し、その時に2つの領域からI-V特性を取得し、回路シミュレーションソフトを用いた電気的診断を行い、早期発見に役立てる。
波長変換素子を用いた太陽電池モジュールの変換効率の向上に関する評価
紫色や赤色の波長変換素子を用いて、発電に寄与する度合いの低い光を感度の強い波長の光に変換し、変換効率向上を意図する。
輻射シートによる太陽電池裏面からの放熱効果
太陽電池パネルは日射強度が強い方が、より発電量が増える一方で、温度上昇による出力低下が避けられない。結晶系太陽電池は温度上昇に弱く、10℃上昇で4%も出力が低下する。そこで、裏面に放熱効果を意図した輻射シートを貼り、貼っていないものを基準として、その効果を比較する。
太陽電池モジュール故障の画像による検出
A社の調査した中古品の一例
太陽電池に電圧を印加することで、半導体である太陽電池はLEDと同じ構造なので、微弱な赤外光を照射します。逆に、シリコンにクラックが入ったり、電極が断線していたり、何らかの理由で通電されない部分は、赤外光の微弱光は放射されず黒いままとなる。これにより、セルの電流の流れにムラが生じると確認できるため、最初は問題なかったとしても、年を経て故障が起きることが判定できます。
赤外線カメラによる中古品太陽電池の赤外線写真の一例


研究室の様子
波長変換素子を用いた太陽電池の出力特性
波長変換素子を適用した太陽電池モジュールの出力特性に関する研究です。

屋上には、劣化太陽電池など各種太陽電池の暴露試験が行われています。



屋上にある計測対象を研究室で制御し測定するため、遠隔操作の設定がよく行われます。


グループワークが多い研究室です。屋上からの八ヶ岳も見守ってくれています。