学科紹介

電子材料・エレクトロニクス

齋藤 隆助教の紹介

齋藤 隆助教 さいとう たかし (Takashi SAITOU)

研究テーマ

  • ・固体電解質材料の結晶構造と電気伝導度の関係

研究キーワード

・固体電解質 ・酸化ビスマス

研究概略

一般にセラミクス材料は電気的に絶緑体です。
ところが、研究対象としている金属酸化物では高温になると電気が流れるようになります。
このような材料のミクロな構造と電気的特性の間の関係を調べる研究を行っています。

詳細内容

酸化ビスマス(Bi2O3)を基本にした、複合酸化物(添加酸化物はTa2O5, Nb2O5)のいくつかは、約800℃において高い電気伝導度を持ちます。
このときの結晶構造は、粉末エックス線回折法により欠陥蛍石型構造(面心立方格子)をとることが知られています。
この構造がより低い温度においても安定に存在すれば固体酸化物燃料電池として応用できる可能性があるのですが、実際には不安定で、温度条件を変えることにより他の構造に変化します。
例えば、Bi2O3にTa2O5を添加したものを、800℃から600℃、570℃、540℃の各温度までゆっくりと下げ、それらの温度に保持したしたときの経過時間に対する電気伝導度の変化を測定した結果を図1に示します。

結晶構造の変化の様子はラマン分光法を用いて調べることができます。ここに示す例は、540℃に保持した場合です。
図2のグラフは上から0,40h,100h,250h経過した場合に対応します。この図より特定の波数(横軸の値)においてラマンバンドの成長が観測されました。
以上のように、結晶構造と電気伝導度の関係を調べています。

電気伝導度の変化図1
ラマンバンドの成長が観測図2